猫の声が出ない!声が枯れている?食欲が落ちた?我が家の猫が口内炎と診断された時の症状と、その治療・自宅でできるケアについて
まずはじめに……猫の口内炎を軽く見てはいけません!!!
なぜなら最悪の場合、命を落としてしまう危険があるからです。
猫は体調が悪くなっても、すぐにその兆候を見せることが少ない動物です。しかし、日常のちょっとした変化に気付くことで、愛猫の健康状態を早期に察知することもできます。
この記事では、我が家の猫・くるみが口内炎と診断された時の症状と、医師からのアドバイスをもとにどのような治療をしたのかについて、お伝えしていきます。
猫の口内炎…原因とその症状は?
猫の口内炎の具体的な原因はハッキリと明らかになっていませんが、カリシウィルスなどのウィルス感染や、細菌の感染、口の中の細菌の多様性が低下すること、またはこれらの微生物に対しての免疫反応が過剰になることが、関与している可能性があるそうです。
一般的にみられる猫の口内炎の初期症状
猫の口内炎は通常、感染症・免疫応答・体の他の部位の病気など、さまざまな要因により発生します。以下は、口内炎の初期症状として一般的に見られるものです。
- 食欲の低下
口内炎による痛みや不快感のため、猫は食事を避けることが多くなります。特に、固形のドライフードを食べるのを避け、ウェットフードの摂取が増える傾向が見られることがある - 口臭
口内炎は、口の中のバクテリアの増加を引き起こし、それによって口臭が発生することがある - 舐める、かきむしる
猫は、口の中や顔の不快感を和らげようと、繰り返し顔や口を舐めたり、かきむしったりすることが増えることがある - 掠れた声や声の変化
喉の炎症や声帯の影響により、猫の声が掠れたり、変わったりすることがある - 飲水量の増加
口の中の不快感や痛みを和らげるため、猫が水をよく飲むようになることがある - 手で口を触る、または地面に口をこすりつける
口の中の痛みや不快感を和らげようと、猫が自分の手や地面に口をこすりつける行動が見られることがある
口内炎の症状…分かりやすいのは”声の変化”
猫の鳴き声が掠れている、または鳴こうとしても声が出てこない場合、それは喉や口の中に問題があることを示しています。口腔内やのどに炎症を起こしているために声の発声が困難になるのです。
くるみの場合①はじめの症状:声が枯れる・くしゃみが出る
我が家の猫(くるみ)の場合は、もともと「にゃーお」という高めの鳴き声だったのが、ある日「な”ーお”」といったように、いつもの音よりも低く、ガラガラと枯れているような鳴き声に変わったことに加え、くしゃみも時折みられていました。
それ以外に目立つ症状は特になく、食欲はあるし、おもちゃで元気に遊んでいたので、口内炎の症状というよりは、軽めの猫風邪かな?と、思ってしまうほど目に見えて分かる症状が少なかったのです。
この時は
このまま少し様子を見て、次の休みになっても症状が改善していなかったら病院に連れて行こうかな…
と、甘く考えていました。
くるみの場合②毛玉を吐くような仕草・声が完全に出なくなる
声が枯れてきたその翌日。
食事中や食後に「カカッカカッ」というような、毛玉を吐き出す動作に似た仕草がみられるように。しかし相変わらず食欲は旺盛で、おもちゃでもよく遊んでいたので元気そうに見えました。
でも、なかなか吐かないし、どうしたものか…と思いながら、仕事帰りに毛玉ケア用のフードを購入し食べさせて様子を見ていました。
そしてその日の夜。ついに声が完全に出なくなってしまったのです……。
くるみの場合③最後は、ごはんを全く食べなくなってしまった
翌朝、ようやく筆者が休みに入り動物病院へ連れて行くことに。出発前には、いつものルーティーンでウェットフードを用意するも、全く興味を示さず、じっと休んでいました。
普段は用意している途中ですぐに駆け寄ってくるのに……。少し時間を空けて再度、顔の前にフードを持っていくも、一向に食べようとしません。
さすがにこれはおかしい!と思い、様々な不安が頭をよぎりました。病院に到着し、いよいよ診察してもらいます。その結果「初期の口内炎」と診断されたのです。
一つでも気になる症状があったら、すぐに病院に連れて行くべき
くるみが口内炎と診断され、頭が真っ白になりました。
はじめの頃は該当する症状が少なかったので、先入観から勝手に「口内炎ではないだろう」と判断し、症状に気がついてから病院へ連れて行くまで2日も経ってしまったことを激しく後悔しました。
猫の口内炎は人間と違って、重症化すると最悪の場合「死に至る」こともあるため、くるみに万が一のことがあったら……と思うと、ゾッとしました。
しかし、幸いなことに獣医さんから
これくらいならまだ全然軽い症状だし、そこまで心配しなくて大丈夫ですよ。おくすりを出すので、1週間後にまた連れてきてください。
と言ってもらえたので、少しホッとしました。1週間分の抗菌薬が処方され、さっそくその日からごはんに混ぜて投薬すると、思っていたよりも早く食欲が回復し、次の日には声も出るようになったのです。
家で行えるケアとしては、なるべくドライフードではなくウェットフードを食べさせることと、歯石や歯周病菌を少しでも減らすためにデンタルケア用おやつが効果的とのことでした。
振り返ってみると実は以前より兆候はあった
前項で、口内炎の予防として「デンタルケア用おやつが効果的」とお伝えしました。
思い返してみると我が家のくるみは、口内炎と診断される3ヶ月前くらいから「ちょっとお口が臭うかな…?」と気になっており、ネットで調べたところ歯石が溜まっているのが原因だろうという結論に至り、デンタルケア用おやつをあげ始めたとことでした。
このおやつが好みに合ったようで毎日おやつを食べるのが習慣化し、しっかり歯石が除去できたのか、そのうちに口臭も気にならなくなったため、口臭があったという記憶も薄れてしまい一般的にみられる猫の口内炎の初期症状のひとつとして「口臭」も挙げられていたにも関わらず、すっかり見落としてしまっていたのです。
口臭が気になると感じたあの時に、病院に連れて行って診てもらえていたら、もしかしたら早々に口内炎と診断され、適切な治療ができていたのではないか?声が出なくなるくらい症状を悪化させることも無かったのでは?と悔しい思いでいっぱいです。
猫は「痛い」とか「辛い」と言葉で伝えることができないので、口内炎に限らず飼い主から見て少しでも気になる仕草や症状があった際は、すぐに病院へ連れて行くことが大切だと身にしみて感じました。
さらに口内炎が進行するとどうなる?
我が家のくるみは、幸い口内炎の中でも軽めの症状と診断され、投薬治療のみで済みましたが、猫の口内炎が更に悪化してしまうとどうなるのでしょうか。
今回、担当してくれた獣医師さんから聞いた話をお伝えしていきたいと思います。
まず前提として、症状が進行すると口の中の炎症がさらに広がり、食べ物や水を摂取することが一層困難になってしまうそうです。
- 唾液の増加:痛みや不快感を和らげるために、唾液を多量に分泌し床に垂れることもあります。
- 呼吸状態の変化:口やのどの炎症により、呼吸が浅くなったり、時折喘鳴のような音がすることがあります。
- 食事の好みの変化:固形食を咀嚼することにより痛みが強くなるため、ウェットフードやちゅーるなどペースト状のものを好んで食べる傾向がみられる。
- 顔が汚れてくる:猫はきれい好きな生き物として有名ですが、口内炎が進行すると口内の痛みにより通常の顔洗い動作が困難になり、回数が減少。口の周りや顎に食べかすが付着し、汚れることが増えてきます。
口内炎が重症化すると、死に至る場合も…
さらに症状が進行すると、口の中が赤く腫れ上がり、触ると激痛を感じるため、猫はほとんど食事をとらなくなるそうです。そして次のような症状が顕著になります。
- 体重の減少:食事摂取量の低下に伴い、目に見えて分かるくらい体重が減少。
- 鼻や目の分泌物の増加:体の免疫反応が活発になり、それに伴い鼻や目の分泌物が増加することがある。
- 口の中の出血や潰瘍:口内炎が非常に重度になると、口の中で出血や潰瘍が生じることがある。
この段階では、猫の痛みや苦しみは非常に大きく、放置すると命に関わることも考えられます。速やかな医療対応が求められるため、すぐに獣医師に診てもらい、適切な治療を受けてもらいましょう。
猫の口内炎が重症化すると痛みや不快感のために食事の摂取が困難になり、栄養不足や脱水症状を引き起こし、これにより死に至る場合もあるそうです。
猫の口内炎に対する一般的な治療・ケア方法とは
猫の口内炎に関して知っておくべき一般的な治療方法を説明していきます。
- 抗生物質の投与:細菌感染が原因の場合に有効。
- 抗ウィルス薬の使用:ウィルス性の口内炎に対して効果的。
- 鎮痛薬の投与:口内炎による痛みを和らげ、食事摂取を促す。
- 口腔内の洗浄:感染や炎症を減少させるために行われる。
- 食事面のケア:柔らかく、猫が食べやすいウェットフードやちゅーるなどを食べさせ、炎症部位へ負荷を軽減させる。
- サプリメントの投与:栄養の補給や口腔内の健康をサポートするため。
- 点滴:栄養を補い脱水を防ぐため。
- 抜歯手術:特定の歯が口内炎の原因や悪化の要因となっている場合。
猫の口内炎ケアに効果が期待できるサプリとは?
猫の口内炎に対し、自宅で行えるケアは何かないか調べていたところ、コロイダルシルバーというサプリがあることを知りました。
コロイダルシルバーとは、微細なシルバー粒子が水中に分散している液体で、その抗菌、抗炎症、および抗真菌特性により口内炎の原因となる細菌や真菌の増殖を抑制し、炎症を和らげることで、口の中の痛みや腫れを軽減させることが期待できるそう。
化学薬品を一切使わずに製造された自然由来の健康補助サプリで、無味無臭なので、食事や水に混ぜても猫が嫌がることなく摂取でき、薬と違って副作用がありません。
薬を使った治療で効果がみられなかったり、薬の副作用が心配な場合に使用する人も多いようです。
筆者はまだ使用したことはないですが、かなり気になっています。商品のレビューを確認したところ「うちの猫には薬よりこっちのほうが合っていた」というようなコメントもあり、かなり評判が良いようでした。
抜歯をする場合と、その効果とは
うちの猫は、重症化していたので抜歯しました。
実は、今回くるみを担当してくれた獣医師さんも猫を飼っており、重度の口内炎に罹ったしまったそうなのですが、抜歯手術をすることによって症状がたいぶ改善されたとのこと。
以下に、抜歯を行う場合とその効果について説明します。
- 進行した歯周病: 歯周病が進行し、歯の根や周辺組織に深刻な損傷を引き起こしている場合。
- 歯根膿瘍: 歯の根が感染し、膿がたまっている場合。
- 折れた歯: 歯が折れ、神経が露出して痛みや感染のリスクがある場合。
- 重度の口内炎: 特定の歯が口内炎の原因や悪化の要因となっている場合。
- 歯の過密: 歯が互いに密接に生えすぎていて、清掃が困難な場合や他の歯に圧迫されている場合。
抜歯を行うことで、感染リスクの減少や、痛みの軽減につながるため歯周病や歯根膿瘍、口内炎などで苦しんでいた猫のほとんどに改善がみられるそうです。
痛みが軽減されると食事摂取量の向上・健康状態の回復が期待できます。
しかし抜歯は手術となる分リスクも伴います。抜歯が必要かどうかの判断や手術の準備は、獣医師としっかり相談してください。
さいごに
愛猫の健康は飼い主にとっての最優先事項です。特に口内炎は、猫の日常生活や食事摂取に影響を及ぼす危険が高いため、早期の発見と適切な治療が必要です。
猫は自分で痛みを訴えることができないので、猫の仕草や行動の変化を敏感にキャッチできるよう、普段から気にかけていきましょう!!!
下記記事では、口内炎以外で考えられる食欲不振時の解決方法をまとめていますので是非読んでみてください。