子猫の緊急保護!保護の手順と必要なものについて
もしもあなたが、外で子猫を見つけ親猫も近くにいない場合はできるだけ早く保護することを検討してください。外の世界は車やカラスなど子猫にとって危険がいっぱいです。
そのうえ、雨降りなど天気が悪いとなると子猫の体温が下がり命の危機に晒される可能性もあります。
この記事では、子猫を保護するための方法と、必要なものについて、筆者の実体験を踏まえながら順を追って説明していきます。
子猫を見つけたら?まず最初にすること
まずは落ち着いて、状況の確認を!!
今その子猫は安全な場所にいますか?近くに大きな道路があったり、人通りが多い場所で安易に子猫に近づいてしまうと、驚き走って逃げた先で事故に遭い亡くなってしまう可能性があるので注意してください。
- 周囲の状況確認
- 人間を怖がっているかどうか様子を観察
- 人懐っこく、自ら近づいてくるようならそのまま保護する
もし子猫が安全な場所にいて尚且つ人間のことを怖がらず、すぐに保護できるようであれば話は早いのですが、そうでない場合は長期戦になることも覚悟し、ある程度の準備が必要となります。
子猫を保護するために必要なもの
子猫を保護するにあたり、そのときの状態や周囲の環境によって必要なものもその都度変わってきます。ここでは子猫を保護するために必要なもの・筆者が実際に使ってみて便利だったものについて紹介していきます。
キャリーケースorキャリーバック
子猫を安全に移動させるため。緊急時にはダンボール箱でも代用できますが、その際は通気性を確保するために数カ所穴をあけてください。
ペットシーツ
保護したばかりの子猫は、体調不良や恐怖心から失禁してしまうことが多いので、予備の含めてできるたけ多めに用意しましょう。
軍手or噛みつき防止用の保護手袋
野良の子猫や怪我をしている子猫は、人間を恐れて急に噛み付いてくることがあるため、お互いの安全のためにも保護する際には厚手の手袋があると安心です。
タオルやブランケット
子猫の体温を保つ役割と、優しく包んで気分を落ち着かせる効果があります。キャリーケースや段ボール箱の中に敷いてもOK。
ちゅーる
ちゅーるが嫌いな猫はほとんど居ないので、できれば用意しましょう。隠れている子猫をにおいでおびき寄せるのに効果絶大。
子猫用フード
子猫の栄養不足を補うために必ず用意しましょう。もし乳離れしていないほど小さな子猫の場合は子猫用ミルクも必要。
清潔な水と、水を入れるための容器
子猫の脱水を防ぐためにも清潔な水を。深いお皿より浅いお皿のほうが子猫が飲みやすくておすすめ。
洗濯用ネット
保護したばかりの子猫は恐怖心から、激しく暴れまわる可能性が高いです。しかし、洗濯用ネットの中に入れてあげると、安心するのか落ち着くみたいなのでおすすめ。
マキロン等の消毒液
子猫を保護する際に、どうしても暴れてしまい噛みつかれてしまう場合があるため。毛噛まれたらすぐに傷口を流水ですすぎ、消毒しましょう。
スマホ
YouTubeなどで猫が寄ってきやすいBGMを流すため。また、暗い場所で子猫を探すのにライト機能を使うことも。
これらの道具は、その時の子猫の状態や周辺環境によって必要なもの・不要なものと変わる場合がありますので、状況に合わせながら揃えるように。
また、恐怖心から噛まれたり、引っ掻かれる可能性が高いので、暑い日は辛いかもしれませんが自分の体を守るためにも長袖&長ズボンで保護に挑むのがおすすめ。
子猫保護の手順
必要なものを用意し、準備が整ったら子猫が驚いて逃げてしまわないように、できるだけ体勢を低くしゆっくりと近づきながら、ちゅーるやフードのにおいを嗅がせ、少しずつ距離を縮めていきます。
子猫が餌に夢中になっている隙に、視界に映らないようそっと後ろから体を抱きかかえたり、タオルなどで全身を包むようにして捕まえてください。可能なら洗濯用ネットで捕まえあげると、落ち着きやすいので安心。
捕まえたらすぐにキャリーケースの中へ子猫をいれ、タオルやブランケットなどで保温しつつ、様子をみながらお水やごはんを与えてください。
警戒心の強い子猫には、猫が好むBGMを流すのもおすすめ
ここからは、筆者の経験談となりますが、2023年6月。知人宅の庭に育児放棄されたと思われる子猫が何日か前から見られるようになったと知らせがあり、気になって保護しに行くことに。
しかしこの子は警戒心がかなり強く、少しでも近づくとすぐに勢いよく走って庭の外へ逃げて行ってしまうので、なかなか保護できず苦戦しました。
そこで、スマホでYouTubeの「猫がよって来る音動画」を再生し、その場でじっと待機していると15分くらい経った頃に子猫がまた姿を現し、スマホのほうへ近寄ってきたのです!
ようやくフードを食べてもらえる距離まで近づけたところで、素早く後ろから体を抱きかかえキャリーに入れ、無事保護成功!!!
しかし筆者はこの日、完全なる事前準備不足で、軍手や手袋・洗濯用ネットなど何も持っておらず素手で捕まえることになりました。
捕まえた瞬間「ぎゃおおおおお!」と断末魔が響き渡り、渾身の力で噛まれたり、引っ掻かれたりしたので、子猫とはいえ油断せず軍手の使用をおすすめします。
(るきちゃん、あのときは怖い思いさせてごめんね……)
子猫を保護してから行うべきこと
無事に子猫を保護できたら、できれば当日中、難しければ1週間以内くらいには病院へ連れていきましょう。
外で生活していた猫は、高確率でノミがいるのと、大して食事もとれずに免疫力が下がって猫風邪をひいてしまっていることが多いです。お腹の中に虫がいることもあります。
更には、もっと怖い感染症に罹っている可能性もありますので、動物病院へ連れていき保護猫であることを伝えて獣医師に診てもらいましょう。
獣医師に診てもらえば、おおよその年齢(生まれて何ヶ月くらいか)が分かるので、フードを選ぶ参考にしたり今後の予防接種を打つタイミングについて相談すると良いでしょう。
子猫を家に迎え入れるために最低限必要なもの
子猫を保護し家へ連れ帰ったら、できるだけ静かな部屋でゆっくり休ませてあげてください。
落ち着かずに鳴き続けたりソワソワしている場合は、お腹が空いていたりトイレに行きたいサインでもあるので、様子を見ながら対応していきましょう。
以下に、子猫を家で迎え入れる際に必要なものを記載します。
- 猫用トイレ
- 猫砂とともに用意します。猫砂は、尿で固まるタイプや無香料・香り付きなど、様々な種類がありますが、香りを嫌がる子も多いのではじめは無香料タイプを選ぶのが無難です。
- フード&水用の器
- 食事と水をあげるために必要不可欠。特に水はこまめに取り替えて、常に清潔な状態にしてあげてください。
- フード、ミルク
- 年齢や健康状態に合わせたフードを選びます。何が良いのかわからない場合は、獣医師に相談するのも手です。
- ゲージ・ベッド
- 子猫が寝るためのクッションやベッド、あるいは布団や毛布などで寝床を用意してあげましょう。子猫は目が届かないところで室内にあるものにイタズラしたり、ビニールを噛みちぎって誤飲してしまうおそれもあるため、飼い主が寝るときや家を空ける時など、場合によってはゲージで過ごしてもらうことも考えましょう。
以下は、子猫が生活にある程度慣れてきたら購入すると良いでしょう。
- 爪とぎ
- 爪切り
- おもちゃ
もし保護した猫が、ネズミ捕りなどでギトギトになっていたら?
保護猫がネズミ捕りの粘着シートなどに引っかかっていたり、ギトギトとしたものに絡まっていた場合、注意深くかつ迅速に対処する必要があります。以下に、その対処方法を記載します。
オリーブオイルでもOK
- 粘着シートやギトギトを可能な限り取り除く
- ソフトな布やタオルで、粘着部分をゆっくりと持ち上げ、無理のない程度に猫の毛から取り除きます。
- 無理に引き剥がそうとすると猫に痛みを与え、怖がらせてしまうので難しい場合は中止してください。
- 小麦粉や食用油を使用
- 小麦粉と油は粘着物の除去に非常に効果的です。小麦粉・油を少量ずつ手に取り、粘着が残っている部分に優しく塗布していきます。少し放置した後、柔らかい布やタオルで優しく拭き取ってください。
- シャンプー
- 油を使用した後は、猫を丁寧にシャンプーして洗っていきます。
- 必ず猫用のシャンプーを使用し、洗面器等に人肌程度のあつすぎないお湯を用意し目に入らないよう注意しながら、優しく洗い流します。
- 十分に乾かす:
- 猫を洗った後は、十分に乾かすことが重要です。特に寒い時期には、猫が風邪を引かないように注意が必要です。
- タオルでしっかりと水分を拭き取り、ドライヤーを使う場合は、低温設定で遠ざけながら乾かしていきます。
汚れの度合いにもよりますが、たいていはこの工程できれいになります。あまりにもひどく粘着物が毛に絡みついていて、1度ではきれいにならなかった場合は、期間を空けてから、もう一度同じように洗ってあげてください。
猫は水に濡れるのが大嫌いなので、短期間で何度もシャンプーしてしまうと強いストレスを与え心身状態に影響が出てしまうため、注意が必要です。
筆者が保護した子猫(るき)も、ネズミ捕りの粘着シート?なのか何なのか分からないギトギト汚れが酷かったのですが、上記の方法で今ではすっかりキレイになりました。
さいごに
外で子猫を見かけたときに、もしかしたら「保護せずにこのまま外で自由気ままに生きたほうが幸せなのではないか」と思う方もいるかもしれません。
しかし前述したように、外の世界には危険がたくさんありますので、安全が約束された家猫のほうが、長生きできますし間違いなく幸せです。
保護した子猫は過酷な環境下で育ってきた中で強いトラウマがあるかもしれません。時間と愛情をかけて、新しい家族として絆を深めていってください。